無料ビザはありか? 入国から出国時の「裏口逆戻り」ハプニングまで
ニュージーランドへ行く途中、ブリスベンで6時間の乗り継ぎ時間ができたので、思い切って空港の外に出てみました。結果からいうと、天国(50セントの川下り!)と地獄(消えた搭乗券!)の両方を味わう、忘れられないトランジットになりました。これから乗り継ぎでオーストラリアを通る方に、ぜひ読んでほしいです。
トランジットビザって何? 普通の観光ビザと何が違うの?
まず、これから行かれる方が一番気になるであろう「ビザ」のお話から。
オーストラリアは、たとえ乗り継ぎ(トランジット)だけでも、空港の外に出る場合は、事前にビザが必要になります。選択肢は大きく二つ。ひとつは観光でおなじみの「ETA(電子渡航許可/サブクラス601)」、もうひとつが今回私たちが取得した「トランジットビザ(サブクラス771)」です。
一番の違いは、ずばりお値段!
観光目的のETAは、20豪ドルがかかります。アメリカ入国に必要なESTAやニュージーランドNZeTA+IVL(国際観光税)の117NZDと比べれば安いものの、たった6時間(もちろん入国手続きがあるので、実質は4時間程度)のためには高い…
一方、今回のトランジットビザ(771)は、Visa Application Charge(ビザ申請料)が「無料」。つまり、正真正銘タダなんです。乗り継ぎで数時間立ち寄るだけという方には、こちらがおすすめ。
ただし! 注意点が! eパスポートの自動ゲートが使えないという、地味に大きなデメリットがあります(これが後の悲劇の伏線に…)。
取得の手順はそんなに難しくありませんが、通常のビザ申請画面からになるので、添付すべき書類がたくさんあるように感じられ、結構時間もかかりました。
断然おススメです、と言い切れないのはこれらの理由から。
順に説明しますね。
オーストラリアのETA(Electronic Travel Authority )は、その名の通り【電子】渡航許可。ですので、それ以外のビザを持っている人たちは、電子ゲートが開かないのだと思います。でも、なぜか現地のスタッフがその事情に通じている感じがない…。「ETA以外の方」みたいなレーンがないので、とりあえずeパスポートの自動ゲートにパスポートをスキャンさせる⇒エラーが出る、で? みたいになります。
正解は、手前のゲートを通過したところにあるカウンターに行きます。そうすると、昔ながらの入国審査になるので、パスポートと入国カードを渡して、トランジットと言い続けます(笑)。だって滞在先も書けないし、目的はまさにトランジットのついでに観光なのですから。
何回かトランジットを繰り返して言っていると、ようやく管理官のお兄さんが、「ああ」みたいな顔になって、それでビザ承認のプリントアウト持ってんのか、ってなって、入国カードにでっかくトランジットって書いてくれるので、入国はそれでOK。
この記事を最後まで読んでいただいた後、それでもトランジットビザでいいじゃん、と思う方のために、簡単に申請の仕方を。
トランジットビザ申請方法
オーストラリア内務省のサイトから「ImmiAccount」というアカウントを無料で作成し、そこからオンラインで771ビザの申請フォームに進みます。パスポート情報を入力し、乗り継ぎ先の国へ向かう航空券(オンワードチケット)の情報など必要事項を記入して申請。
と言ってしまえば簡単ですが、department officeに日本がなかったり(ソウルを選ぶようです)、えって思うくらいの添付書類リストが出てきたり(パスポートでよさそうなところはパスポート、雇用証明とかもあったので添付しない理由にTRANSITっと記載)、結構時間がかかりました。しかも二人分…
同行者も同じアカウントから申請できたのは救いでした。
申請から通知まで数日かかることもあるようですが、私たちの場合は申請して秒で承認が下りました。むしろ、申請を受け付けましたメールより、承認メールが一瞬先に来てましたよ。
お勧めするかと聞かれたら、まずしません。ただ、飛行機が遅れるかもしれない6時間のトランジットって、入国できない可能性もあり。ビザが間に合うのかもわからないけど、ダメだったら仕方ないという気持ちだったので、むしろお金はかけたくなかったです…。


たった50セントで川下り!? ~ブリスベンを全力で楽しむ~
さて、何とか入国して、いざブリスベンの街へ。街へは「エアトレイン」で。改札へ行くまでの間に、ネットでエアトレインの往復チケットを購入します。かなり安くなるので、これは絶対!
購入したチケットは、Googleウォレットに入れておきましょう。改札前のお兄さんにバーコードをスキャンしてもらい、セントラル駅では自動改札の開きっぱなしのゲートのをそのまま通過。帰りも同じ要領で、空港でまたスキャンしてもらうスタイルでした。
まず向かったのは、古くて素敵な市庁舎。大理石の大階段や、手すり、テラスがとにかく美しい建物です。中心にあるホールを覗きに行くと、席に座っていた地元のおじいちゃんが声をかけてくれました。
「このホールは音響が素晴らしいんだよ」「毎週木曜日のお昼には無料コンサートがあってね」「クリスマスには晩餐会も開かれるんだ」と、うれしそうに教えてくれました。
続いてサウスバンクへ。
図書館や美術館、劇場などがぎゅっと集まったエリアで、歩いていると「あ、ここ昔来たことある!」というバリのパビリオンを発見。周りの景色は何ひとつ覚えていないのに、そこだけ懐かしくて不思議な気持ちに。
もう四半世紀も昔になるので、対岸の景色はかなり変わったはずです。
そして今回のハイライト。川に出て、フェリーに乗りました。「シティホッパー」という無料の船があるらしいのですが、見つけられず…。(現金を持っていなかったし、ブリスベンの交通カードをわざわざ購入もしなかったので、無料がいいと思っていたのです)
代わりに乗ったのが、青いフェリー。ありがたいことになんと1回50セント(約50円!)で、クレジットカードのタッチ決済ができます。しかも降りる必要がなかったので、往復してもたったの50セントという、破格の川下り観光になりました。
ブリスベンの街は歩くと暑いくらいでしたが、船の上は風が心地よく(というかだんだん冷えてくるくらい)、川沿いに建つ豪邸をのんびり眺めながらの船旅は最高でした。

消えた搭乗券!空港の裏口を歩かされたスリリングな結末
さあ、ここからが問題の「事件」です。これから行く方は、ここだけは絶対に覚えて帰ってください。
出国時の保安検査。手にパスポートを持っていたら、係の人に「トレーに入れて」と言われ、素直に従いました。ところが、荷物が出てきてハッと気づく。パスポートに挟んでおいたはずの搭乗券が、ない!
お姉さんに伝えると「カウンターでもう一回印刷してもらって」とあっさり。そんなものかと軽い気持ちで先に進んだところで、悲劇が起こります。前述の通り、トランジットビザだとeパスポートの自動ゲートで引っかかるんです。そして、入国の時以上に有人カウンターへの道は険しい。まず警備員さんにエラーが出ることを伝える←近くにいない、そして有人カウンターでは当然搭乗券がないと出国できない…。
搭乗券がない理由をつたない英語で伝えるのに四苦八苦。警備員さん、管理官、さらにほかのスタッフが集まって、なんで搭乗券を持っていないのか何回も繰り返しました。「旅行者じゃないならこの先には行けない」とか、だから保安検査所でなくされたんだってば‼
(おそらくですが、ゲートさえ通れれば搭乗券チェックはなく、中に入ってからカウンターで再印刷できるのかもしれません。でも肝心の中のカウンターにはこの時間人がいなかった…)
搭乗券がなければ出国できないということで、なんと警備員さんに連れられ、一般の人は絶対に通れない「裏口」を通って、チェックインカウンターまで強制送還。ドキドキしながら空港の舞台裏を歩かされるという、なかなかできない体験をしました。
幸いカウンターの自動端末で普通に再発行できたので事なきを得ましたが、そこから再びの保安検査(しかもさっきよりずっと混んでいる…)。今度こそパスポートと搭乗券をしっかりカバンにしまい直し、やれやれとパートナーと合流しました。
教訓はただひとつ。保安検査のトレーにパスポート・搭乗券は置かない! オーストラリアでの保安検査は、パスポートも搭乗券もいりません! 求められませんし、手に持ってると進めません! 特にトランジットビザの方は、搭乗券なしだとゲートで確実に足止めをくらうので、要注意です。カンタスのアプリを入れてデジタル搭乗券にすればよかったのかな? いや、今思えばチェックインがオンラインでできなかったのは、預け荷物があるせいだと思ってたけど、パスポート情報がETAと結びついてなかったせいかも。(アメリカ行きの飛行機には、ESTAが登録されている情報が確認できないと乗せてもらえないという話を聞いたことがあります)ということは、デジタル搭乗券というのもないと思われますね。
最後に救われたのは、ラウンジのスパークリングワイン。搭乗までの時間はあまりなかったのですが、簡単に食べられそうなお店がマックか高いお店しかなく…と奥へ進んだら、プライオリティパスで入れるラウンジを発見。ここも空いていて、注いだスパークリングワインの一杯が、疲れた心にじんわり沁みました。ハプニングも、終わってみればいい思い出です。
