※この情報は2020年1月時点のものです

台北に近い「北投」「陽明山」、南部の「四重渓」と並び、台湾四大温泉のひとつに数えられる関子嶺温泉。台南から行きやすいため人気のある温泉のようで、日本人にもバスで一緒になりました。

関子嶺温泉の最大の特徴は、その独特な泉質にあります。泉質はアルカリ性炭酸水素ナトリウム泉で、泥湯なんです!

お湯そのものはサラッとしていますが、肌に触れるとヌルっとした滑らかさがあります。

地下の岩層から湧き出す際に細かい泥の粒子を巻き込んでくるため、ミネラルが極めて豊富で、入浴後の肌の「しっとり・ツルツル感」は、日本の温泉でもなかなか味わえないレベルでした。

坂道が続く風情ある温泉街の風景

関子嶺温泉は山の中腹に川に沿って作られた温泉街のため、移動の際はけっこうな急坂を上り下りすることになります。道路以外に、階段や歩道橋が作られていますがそれらももちろん急です。上のほうに大きなホテルがあり、大浴場というか台湾で温泉池と表記される大きな露天風呂または庭園温泉プールとでも言うべき温泉があります。

濃い泥湯を楽しむなら「老舗旅館」がおすすめ

もともとの湧出場所は関子嶺温泉バス停の周辺の古い温泉旅館たちで、こちらのお湯は桶にくんでもわかるくらいの泥湯なので、部屋のお風呂に溜めるとなかなか濃い灰色になります。宿泊の際はこういったお湯の出る宿を選ぶと、関子嶺感が満喫できると思います。

ちなみに、この時に泊まったのは清秀旅社というお宿。2026年現在は麗湯溫泉渡假山莊の一部となっているようです。あいにくの天気の中、入るのに勇気のいる暗い廊下から部屋に入ると、ここでもドーンと大きい浴槽が。出てくるお湯は濃い灰色で、10センチ下の手も見えなくなるくらいの濃さ。長湯をすると爪の間が黒くなってしまうというのですから、まさに泥湯です。

泥をよく洗い流してから上がると、肌がしっとりした感じ。むふふふ。結構長い間、ツルスベ感が残って、furosky大満足です。

台湾温泉グルメの定番?名物「甕缸鶏」の謎

甕缸鶏という鶏の丸焼が名物のようで、行く道々で大きな看板を見かけました。でも、ほかの温泉でも同じような鳥の丸焼きの看板はよく見ます。これは日本の温泉饅頭のような、台湾で温泉と密接に結びついた食べ物なのでしょうか?

なぜここまで密接に結びついたのか、その理由を詳しく紐解いてみました。

1. 「山の恵み」の掛け合わせ

関子嶺をはじめ、台湾の有名な温泉地(礁渓、烏来、宝来など)の多くは山間部に位置しています。

  • 放し飼いの地鶏(土鶏): 山地では身の引き締まった良質な鶏が育てられていました。
  • 薪(たきぎ)の調達: 甕の中で焼くには、龍眼(リュウガン)やライチの木を薪として使います。これらは山で手に入りやすく、焼いた時の香りが肉に移って絶品になるため、土鶏と相性が抜群でした。

2. 温泉後の「補(ブー)」という養生文化

台湾には、体に良いものを食べて活力を補う「補(ブー)」という食文化が深く根付いています。

  • 体力回復: 長湯をして心地よく疲れた体に、高タンパクで栄養価の高い地鶏は最高の栄養補給とされています。
  • 空腹感: 温泉に入ると代謝が上がり、お腹が空きます。そんな時に、脂の乗ったアツアツの丸焼き鶏は、最高の「ご馳走」として定着しました。

3. 「みんなで囲む」グループ旅行の象徴

日本の温泉旅行が「静かに癒やす」側面を持つのに対し、台湾の温泉旅行は家族や友人グループで「賑やかに楽しむ」イベントとしての側面が強いそうです。

  • 共同作業: 甕缸鶏は、ビニール手袋をはめて自分たちで身をむしって分け合います。この「ワイワイガヤガヤ」と鶏を解体するプロセスそのものが、旅行のアトラクション(娯楽)になっています。
  • シェア文化: 台湾の温泉地にあるレストラン(熱炒)は、大皿料理をみんなで囲むスタイルが基本。そのセンターピースとして、見た目のインパクトもボリュームもある丸焼き鶏は最適だったのです。

4. 関子嶺ならではの「熾烈な競争」

特に関子嶺は、温泉街へ続く道沿いに数十軒もの鶏料理店が並ぶ「ローストチキン・ストリート」として有名です。 もともとは数軒の名物店から始まりましたが、それがあまりに人気になったため、「関子嶺に来て鶏を食べずに帰るなんて!」というほどの観光定番ルートとしてパッケージ化されました。

まさに「台湾式・温泉の楽しみ方」

日本の温泉饅頭が「おやつ」だとすれば、台湾の甕缸鶏は「温泉旅行のメインイベント」のようです。

豆知識: 鶏を焼く際に出る黄金色の鶏油(チーユ)。これをご飯にかけたり、地元のタケノコスープに入れたりして食べるのが通の楽しみ方です。

By furosky

このブログを書いているfuroskyは、温泉大好き! おいしいもの大好き! 楽しいこと大好きなアラフィフです。 海外旅行は何回目になっても、もっと調べておけばよかった… と思うことしきり。なので、ガイドブックやインターネットでたくさん調べものをします。 調べた結果の備忘録として、また、同じ疑問を持っている読者の方にお伝えできることがあればと思い、ブログ記事にしています。